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短編集4〜6

短編集4〜6

【企画】私の短編を朗読しませんか?

④…もしもし?
何度も申し上げている通り、私は噺ハナシの詰まらない男が苦手なのです。面白く冗談を飛ばし常に道化を演じろとは申しませんが…彼是アレコレと過ぎる流れに、通じる言葉と云ィう物が有るでしょう?流れず阻ハバまれ噛ヵみ合わない事こそ私は詰まらないと思うのです。私は、息が合う人で在ァりたいのです。


⑤初恋の人と声がそっくりな彼。彼の彼らしい所を見聞しても、やはり、あの人と似ている様に感じる。声のせいなのか、初恋のせいなのか判断がつかない。混濁コンダクした関係を持て余した私は、あの人に酷い態度をとっていた。彼の声を久方振りに聞いて、違うと分かっていながらも、ちくりと、爛タダれた傷痕キズアトが疼ウズく。


⑥半月の日にロゼを開ける。月を見ながらの一人酒、テレビのCMで半月にロゼを飲むと恋が叶うとか言ってたな、と思い出した。あの時信じていれば、あの人はまだ私の側にいたかしら。果てない昔話に耽フケりながら秋に浸ヒタる。いつか彼とは違う人と微笑み合い、グラスを合わせる、そんな時間を夢見ながら。

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