桜凛学園1年A組「#1 HR」の続き②

桜凛学園1年A組「#1 HR」の続き②
「・・・みんな、すごいね。みんなの話し合いを聞いててなんか感動しちゃった。つまり、私が劇を通して伝えたいと思ったのは、世間とか社会で『犯罪者』『人殺し』『悪役』ってひとくくりに呼んでいるけど、その中にもそうじゃない人がいる。まぁ、極悪人もいるんだけどネ」

みんなも話の意図を理解したように「確かに・・・」「まぁそうだね・・・」と納得の言葉を出し始めた。

「どう?反対の人とか、他のがいい人とかいない?」

みんな一瞬ざわざわしたけど、最後は満場一致で」
「異論はないぜ」「やろう!」「サカチャンの話聞いてて妙に納得しちゃった」

「よし!実は私もう台本全員分作ってあるんだ!そんで、体育館でできるのは2回でしょ?クラスは40人だし、登場人物は20人、裏方20人になるようにして、40人全員が出れるようになってるんだ!」

「準備ハェナw」「40人全員かぁ!」「いいねぇ!!」

…ハルの驚きの発言は一旦置いといて、どうやら反対意見のやつはいないらしい。かくいう俺も嫌ではない。むしろ楽しそうだ。

「おしっ、じゃあ決定だな」

とことん聞き手に回っていたけど、一応ハルと一緒に司会をしていた俺がここからは進行をする。

「それじゃあとりあえず一回目と2回目、どっちがいいか決めてくぞ。」

「よっ!もっさん!!」「モンのとっつぁぁぁん!!」「待ってました!」

「うっせw」

ここぞとばかりにからかってくる奴らは無視してさっそく決めていこう。

「ぱぱっと決めてくぞ―!どっちみち演者も裏方も両方やるんなら無難に出席番号順でいくけどいいか?」

「全然ええよ」「異議なぁーし!」

「そしたらここは監督であるハルに役を決めてもらおうか」

「えぇー?今シモンくん、私に押し付けたでショ」

「さぁ?どうでしょうねぇ??」

「ナニソレっ!」

お腹を抱えながら笑っていたハルだが、深呼吸をしてからぱっと切り出した。

「事前に出したアンケートの結果をもとに、役をふっておきました!今から台本配るから、目を通しといてねーん」

「は?え、ハル、出席番号で分けるの予想してたの?」

「まぁね。シモンくんのことだからそうするだろうなって思ったから」

「マジカヨ、怖〜w」

「ねぇっ、なにそれ!!」

クスクスと笑うハル。

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